100年前の白黒写真をカラー復元
白黒写真は、白と黒の割合で白っぽい灰色から黒っぽい灰色まで無限に表現しています。アメリカの戦争記録映像がカラー復元されて久しくなりますが、明度・彩度はともかく、色相だけは人の判断によるものとばかり思っていました。
映像は土の色、空の色、木の葉の色しか復元されていないワンパターンの色付けなのでそのように思っていましたが、考えてみれば赤や黄色は戦争には目立ちすぎて不自然なのかもしれません。せいぜい国旗と階級章に使われているくらいです。
ワンパターンに見える色も、実はデジタル技術による完全自動で復元していることがわかり驚きました。今回はこれに挑戦することにしました。
100年前の写真↓
季節は、服装から判断すると夏や冬ではないことはわかります。
後の木の葉の様子から春か秋かがわかりそうですが判定できません。
服の色はもちろんわかりません。現場を知らない人がいろいろと想像できるのが白黒写真の楽しいところでもあります。
セピア色のこの写真もカラー復元するとこのようになります。
寒さもいくらか残る季節で、木の様子から4月頃のような感じです。
服の色を調べるために色を強調すると
女の子の着物は赤系だったこともわかりました。
元の写真に残る色情報の強さが均一に残っていないので、これ以上強調すると他の個所に誤処理を生じてしまいます。男の子の袖や後の木の葉に誤処理が生じ始めています。
銀塩のアナログ写真でも色相情報が含まれていて、完璧ではないもののその情報さえ読み取れれば、そこそこ復元できることが確認できました。驚異です。
高価な専用ソフトを購入しなくてもここまで遊べる世の中も驚異です。
焼け落ちてしまった首里城は、カラー復元された写真が数年前に発見されたことで一代前は赤くなかったと公表されましたが、カラー復元はどこまで再現できるのか、今回100年前の手持ちの白黒写真を使ってカラー復元を試してみました。
条件がいいとかなり復元できることがわかりました。


