姫木平の山小屋生活

毎月一期間過ごしています。現地の動植物や生活の様子を紹介します。冬季は自宅近隣の散策や旅をした様子を綴っています。

ザハ・ハディドのセンスに感動

 建築家ザハ・ハディド氏と言えば初案新国立競技場設計者としてしか知りませんでした。
先日のDiscoveryチャンネルの番組でザハ氏設計のマイアミの軟弱地盤に62階建てビルの建築の様子を見ました。難題を克服し乗り越える建設会社のプライドにも感激しました。設計する人と建設する人の信頼関係と見事なキャッチボールをするすばらしさにも感激しました。


 「曲線美の女王」「アンビルトの女王」と名誉と不名誉を併せ持つほど、未来的なセンスの持ち主だったのだと思います。

 

   

コンクリートの曲線の美に驚かされます。四角い箱が並ぶのとは違います。


 新国立競技場の建て直し事件を思い出しました。
国際コンペ一位になったザハ氏の設計案が採用になったのですが、
国際競争入札にもせずに高い概算見積書を出したことで国際コンペ一位の設計案を棄てるという前代未聞の珍事で、再度コンペ開催という不可解な動きになりました。
裏の動きが激しくなったのかもしれません。


 「 新国立競技場は白紙にもどす」と、A倍氏が宣言した直後に
「僕は元々、あのスタジアムは 嫌だった。生ガキみたいだ。(現行案の2本の巨大アーチは)合わないじゃない、東京に」と語ったそうです。「生カキがドロッとたれたみたいで嫌だ」とも言ったそうで、代々木体育館のサザエとかカタツムリのイメージが現在好評なのに対抗して嫌味を言ったのでしょう。
これもあの人の言葉です。M氏 が2015年夏のテレビ番組でのことです。


再選考で隈健吾氏の設計案が採用され、二つのアーチを省いただけの似たような競技場が建築されました。建築費はザハ氏案のものと変わりないそうです。それとは別にザハ氏に対して莫大な慰謝料だか著作権料だかが支払われました。そして日本のゼネコンが堂々と動いたのです。

 見慣れればとてもいい競技場に感じてきましたが、ザハ氏の当初案の斬新なコンクリートの曲線美を見たかった気もします。


ザハ氏は2016年(心臓発作と伝えられていますが)この世を去りました。
知りませんでした。ご冥福をお祈りします。

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