錆び取りで捨てていたのは、平安時代の貴族の化粧品?
今回釘の赤錆を取り除くのに使用した液は食酢です。
2000年ごろに姫木小屋を利用した人が、余った酢を食器棚にしまっていたのを
数年前に気づいて、ラベルを見たらとっくに賞味期限が切れていました。
酢が傷むとは考えにくいですが、気分的に嫌で何か別のことに使おうと薬品として保管しておいたものです。
高校化学でも出てこないマイナーな反応(係数省略)
(ブログ内では下付き数字表現できず見にくいかもしれません)
釘の赤錆 + 食酢 ➡ 釘の白錆 + 黒い液
Fe2O3 CH3COOH Zn(OH)2 Fe(CH3COO)2
ZnかAl含む 又は Al2(OH)3
この黒い液が鉄漿(おはぐろ・かね)、鉄媒染ではよく使われる媒染液ということがわかりました。
平安時代の貴族が鉄漿を求めて行なっていたことを、
私は白錆を求めて鉄漿を洗い流して捨てていたようです。
同じ作業をしていながらも、求めるものが違っていたのです。
次回のチャンスがあれば、鉄漿は媒染剤として染色に使ってみようかと思います。
そう言えば、“ 光る君へ ” でお歯黒を見たことがありません。
女優さんが嫌がるからなのか、
ちゃんと見ていないからなのか。