姫木平の山小屋生活

毎月一期間過ごしています。現地の動植物や生活の様子を紹介します。冬季は自宅近隣の散策や旅をした様子を綴っています。

スイセンの花を覗いたら

 スイセンの掘り起こしで傷んだものは水差しにして、


折れてしまったものは観察に活用するしかありません。


花びらは他の花と同様に泡立ちが見られます。
独特のしっとり感を生み出すのに役立っています。


雄しべの軸は繊維が並ぶ隙間を埋めるように泡状のものがあります。


雄しべの先端は花粉だらけです。


花粉まみれの柱頭はラッパのような凹みがあり、
どこまで深い穴になっているか分かりません。


一瞬、その凹みの蓋が開いているかのような構造(かなり強引!)を考えましたが、
よくよく見ると蟻のように見えます。

ユリ目かキジカクシ目か (新旧分類でどちらが新なのか、あるいは別分類法による違いなのかわかりません。)はさておき、
ユリの特徴でもあるめしべの先端(柱頭)のネバネバが、ユリ目にも扱われるスイセンにしっかりあったようです。


“ごきぶりホイホイ”に捕らえられたかのように、もがくほどがんじがらめになって息絶えたかのように見えます。

体液が吸収されたか、色素を奪われたか、蟻(?)は透き通っています。すでに抜け殻のような状態になっています。
まるでスイセンが食虫植物であるかのような錯覚になります。


何だか今回のスイセンの鹿食害が、スイセンの性質から見えてきたような気がします。
非日常のサプライズがいろいろな形で刺激を与えてくれて楽しいものです。


鹿は絶対に食べないといわれてきたスイセンも、時には部分的に食べられてしまいます。
食糧難になれば頃合いを見て食べにくるし、限界も心得ているのかもしれません


今もスイセンの花びらの上でアリがうろうろしています。香りか味に惹かれて。

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