姫木平の山小屋生活

毎月一期間過ごしています。現地の動植物や生活の様子を紹介します。冬季は自宅近隣の散策や旅をした様子を綴っています。

生物の生存競争は姫木平でも

 先日ナショナル・ジオグラフィックで密林の話を視聴しました。

ボルネオの密林では地表に届く日差しは2%といいます。それだけで種子が芽を出す確率は10万分の1になるそうです。ここからが新たな生存競争のスタートラインです。ひょろひょろでも良いので、少しでも早く密林上部に達して太陽の光を受取ろうとします。風で倒れないように幹を頑丈にしないといけませんが、上に伸びるスピードが遅くなりすぎてはいけません。スピード優先でひょろひょろだと風に弱いので、ひげで巻きついて支えを得たり、直接蔓で巻きついたりといった工夫をします。それでも他の植物にスピードで負ければ枯れたり腐ったりします。

競争に勝った植物も成長点を動物に食べられたらそこで終わりです。それを防ぐために棘の鎧を装着したり、毒を抱え込む工夫をします。まるで地雷です。口をつけてしまった動物は解毒成分を含む植物を探しまわります。別の動物に狙われるのを避けながら探すのも大変なものです。


 姫木平でも小規模ながら同様なことが行われているはずです。日射しの少ない年は無駄な成長はせずに、来年のためにエネルギーを温存するのでしょうか。


 鹿は何が敵になるのでしょうか。農地に入れば銃弾を浴びますが、山地では鳥獣保護法で守られていて食べ放題・繁殖し放題です。人間の前ではポーズをとっているかのように堂々と向き合います。

天敵の大型動物がいないので敵なしのようですが、実は蛭のような吸血動物や小動物による感染症があります。


 蛭は大きくても小指くらいかと思っていたら、世界には写真のような大きなものもいるようです。鹿につく蛭はヤマヒルで、1.5~8cmくらいです。しかも蛭は伸びると2倍以上にになるといいます。


 2006年以降ヒルが急増し、生息分布も広がっているようですが、鹿の食害の広がりと関係があることが分かってきました。
近年、環境省を始め関係機関・大学等で調査が進められています。


(鹿の写真以外はYahoo画像より)

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